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認知行動療法について

認知行動療法に関する記事(全2本)を1ページにまとめました。目次から気になる項目へジャンプできます。

このページでわかること

考え方(認知)が感情や行動に影響するという認知行動療法の基本的な考え方と、自分自身で取り組める具体的なワーク(感情の点数化、考え方のクセへの気づき、行動の見直しなど)を紹介します。あわせて、気分転換の専門家による、日常で気持ちを立て直すための具体的なヒントもまとめています。

1. 認知行動療法について

1-1. 認知行動療法とは

認知行動療法は、ものごとへの考え方(認知)と行動に働きかけることで、うつや不安をやわらげていく心理療法です。

認知行動療法は、うつ病や不安の治療に用いられる心理療法の一つで、広く実践されています。主に精神科、心療内科の医療機関やカウンセリング機関で受けることができる治療法です。認知行動療法の「認知」とは「ものごとに対する考え」であり、ものごとへの考え方と行動を治療の対象とすることで、うつや不安を治療していきます。

1-2. 認知行動療法で目指す2つの目標

第一の目標は考え方のクセに気づくこと、第二の目標はその考え方をストレスの少ない方向へ練習して変えていくことです。

「自分でできる認知行動療法」という書籍は、本に書き込みができるようになっており、購入して記入しながら進めるとよいでしょう。12週間でひと通り終わるような構成になっています。うつや不安が軽症な人は1回でもよくなる可能性はあるし、中等度以上の方でも繰り返して習慣になるまでやると効果が出やすいです。

1-3. まずは自分の感情をとらえる

いきなり考え方を変えるのではなく、まずは自分の感情を客観的にとらえて点数化することから練習を始めます。

いきなり考え方を変えることは難しいので、まずは自分の感情をうまくとらえることから始めます。普通は自分の感情が変化した時に、「今の自分は悲しい感情だな」と客観的にとらえてはいません。認知行動療法ではあえて「悲しみ」「苦しい」など感情を表す言葉を当てはめて紙に記入していきます。

1-4. 自分をほめて自己肯定感を育てる

うつや不安になりやすい人は自分を責めるクセがあるため、自分の長所に目を向けて自己肯定感を育てる練習をします。

感情をとらえたら、次は自分をほめるというステップになります。通常は自分をほめるというのは考え方を変えるという作業のあとに行うことが多いですが、この本ではあえて自分をほめる作業を2回目のセッションに持ってくることで気分を楽にしようとしています。

1-5. 考え方のクセに気づき、別の視点を見つける

自分を責める考え以外の別の見方を探すことで、憂うつや不安を少しずつ薄めていく練習をします。

「自分の感情をとらえて、自分をほめる」練習の次は、憂うつや不安になったときの「考え」をとらえていく練習をします。例えば、仕事で失敗して強い苦情を言われた時、「また失敗した!自分は本当にダメな人間だ。私はみんなに嫌われているのだろう」と自分を責める考えになっていることが多いです。

1-6. 注意したい3つの考え方のパターン

うつや不安につながりやすい考え方には「自己否定」「完璧主義」「他者を脅威とみなす」という3つの代表的なパターンがあります。

うつや不安につながる考えのパターンがあり、主に3つのパターンが挙げられます。「自分に対する否定的な考え」「完璧主義の考え」「他者を脅威とみなす考え」です。逆に気分が落ち着いているときは、これと逆のパターンになります。

1-7. くよくよ考え続けるのをやめるには

心配ごとを繰り返し考え続けてしまう「反すう」には、良い点・悪い点を書き出して対処法を考える練習が役立ちます。

気分が落ち込んでいる時や不安が高まっている時は、誰でも同じことを「くよくよと繰り返し考えてしまう」ことがあります。これは反すうと呼ばれ、同じ心配を考え続けてしまう状態です。どのようにしてくよくよと考え続けるのをやめるのかを考えてみましょう。

1-8. 行動を変えてみる(心地よい活動・回避行動の見直し)

気分が沈んでいるときこそ楽しめる活動を選んで行動に移すこと、そして回避行動を見直すことが、心の回復を後押しします。

これまでは感情や考え方をとらえる練習を説明しましたが、行動面にも目を向けましょう。認知行動療法の「認知」とはものごとへの考え方で、「行動」とは文字通り「行い」や「動き」のことです。憂うつや不安なときには、以前楽しんでいたことから遠ざかっていることが多いです。

1-9. 気分転換とは「考えの幅を広げる」こと

気分転換とは、問題に入り込んで身動きが取れなくなった状態から少し距離を置き、別の視点から眺め直してみることです。

「こころが軽くなる気分転換のコツ」は、認知行動療法の専門家である大野裕(おおのゆたか)先生が書かれた、気分転換に関する書籍です。人間は誰しも色々なことに悩んだり、気分が滅入って悲観的なことしか考えられなくなることがあります。

1-10. つらい気持ちは長くは続かない

つらい状態がずっと続くように感じても、時間の経過とともに気持ちは和らいでいくものです。

つらいことがあると、その状態がずっと続くのではないかと考えがちです。しかし時間がたつとそのつらさから解放されるときがやってきます。この本では、通常は3か月を目安に考えてみるとよいとされています。

1-11. 自分にできることから、現実に目を向けて考える

原因探しにとらわれすぎず、過去にこだわるよりも今できることに目を向けることが、気持ちを立て直す助けになります。

悩んでいる時にはたいてい原因探しを始めます。そうすることで解決の糸口を見つけ出そうと考えます。「こうなったのは自分のせいだ」と自分に原因を見つけ出そうとする人や、反対に「あの人のせいでこうなった」と人を恨むこともあります。

1-12. 一人で悩んではいけない

漠然とした不安は、人に話してみることで自分でも気づいていなかった気持ちが整理されることがあります。

問題が明確にわかっている場合は解決策が見える場合もありますが、漠然とした不安の場合、人に相談することで自分は何が不安だったのかがわかる場合があります。他の人に相談すると「迷惑ではないか」と思ってしまいますが、相手に解決策を求めなくても、ただ聴いてもらうだけで自分の考えが整理されることもよくあります。

1-13. 元気なときの自分や、過去のいい体験を思い出す

元気なときの自分ならどう考えるかを想像したり、過去にうまくいった経験を思い出したりすることが、気持ちを立て直すヒントになります。

「最近、前向きな見方ができなくなっているな」「どうすることもできない」という思い込みにとらわれると、人の声に耳を貸さなくなり前向きな見方ができなくなります。元気な時とは考え方や感じ方が変わっているはずなので、元気な時の自分はどうするかと考えてみるのもよいでしょう。

1-14. 決まり文句やおまじないで自分を励ます

自分の心を奮い立たせたり鎮めたりする決まり文句やおまじないを持っておくことも、気持ちを立て直す助けになります。

自分の心を奮い立たせたり、心を鎮めたりするための決まり文句を口にするのもよいでしょう。どんなささいなことでもかまいません。「なんとかなるさ」「まあいいか」といった、誰でも使えそうな口癖を持っておくのもよく、昔話の一休さんの故事にちなんで、あわてず騒がず自分を落ち着かせる言葉を口にする人もいます。

1-15. 動くことで、心も変わっていく

頭の中で考えているだけでは想像の世界が広がるばかりですが、実際に行動してみることが心を現実に近づけてくれます。

動かずに考えているばかりいると、想像の世界だけが広がってしまいます。想像の世界だけが広がって、現実との距離がますます広がります。不安なこと、心配していること、悩んでいることに対しては、行動することが特効薬となるとされています。

1-16. つらいのは自分だけじゃないと知る

心の苦しみを抱えているのは自分だけではないと知ることも、つらさを和らげる助けになります。

人間は時として傷ついたり、壊れそうになったりします。「こんなことで悩んでいるのは自分だけだ」と思い込んでますます苦しくなります。しかしそのような状況に陥っている人は少なくありません。

1-17. ストレスを解消する方法(運動・音楽の力)

好きなことをして今の現実から距離を置くこと、体を動かすこと、音楽に触れることも気分転換に役立ちます。

日常生活においてストレスを解消するにはいろいろな方法があります。スポーツや映画、旅行などがありますが、これが特によいと一般化してはいえません。その人に合った方法があります。

1-18. 気分転換を助ける3つの視点

気分転換のポイントは、「現実の受け止め方」「人とのつながり」「自分をコントロールできているという感覚」の3つに整理できます。

気分転換には、大きく分けて3つの視点があるといわれています。「現実の受け止め方」「人とのつながり」「自分をコントロールできているという感覚」の3つです。一つ目は、現実の受け止め方です。

出典・参考文献

「自分でできる認知行動療法 うつと不安の克服法」

著者・発行元:清水栄司 | 出版社:星和書店 | 発行年:2010

「こころが軽くなる気分転換のコツ」

著者・発行元:大野裕 | 出版社:大和書房(だいわ文庫) | 発行年:2008

監修:久場禎三(沖縄中央病院 院長・精神科医/ラジオ番組「こころの架け橋」パーソナリティ)