🎢 双極性障害

双極性障害について

双極性障害に関する記事(全2本)を1ページにまとめました。目次から気になる項目へジャンプできます。

このページでわかること

双極性障害は、気分が沈む「うつ状態」と気分が高まる「躁状態」を繰り返す病気で、うつ病や統合失調症と間違われやすいという特徴があります。気分安定薬を中心とした薬物療法の継続と、規則正しい生活習慣が症状のコントロールに役立ちます。周囲の方の接し方についても、躁状態・うつ状態それぞれのポイントを紹介しています。

1. 双極性障害について

1-1. 双極性障害とはどんな病気?

双極性障害は「うつ状態」と「躁状態」を繰り返す病気で、うつ病とは異なり100人に1人ほどが経験します。

双極性障害は、従来は「躁うつ病」と呼ばれてきた疾患で、気分がひどく沈む「うつ状態」と、気分が病的に高まる「躁状態」が繰り返し現れる病気です。躁状態やうつ状態が治まっている時期には症状は特にみられず、日常生活も健康な人と変わらず送ることができます。

1-2. 双極性障害のタイプ

躁状態の程度によって「重いタイプ」と「軽いタイプ」に分かれ、軽いタイプほど本人は病気だと気づきにくい傾向があります。

双極性障害の症状の現れ方には大きく2つのタイプがあります。うつ状態の程度はどちらも同じ程度です。

1-3. 躁状態・うつ状態の症状

躁状態では高揚感や活動性の高まりから人間関係のトラブルを招きやすく、うつ状態の症状はうつ病とほぼ同じです。

躁状態では、嬉しい出来事がないのに高揚感にあふれ、なんでもできる気がするようになります。気分の良さを通り越して興奮状態になったり、イライラして怒りっぽくなったりするため、人間関係でトラブルが起きやすくなります。

1-4. 双極性障害はまちがわれやすい病気

うつ状態のときはうつ病と、躁状態のときは統合失調症と間違われやすく、過去の躁エピソードの確認が診断の鍵になります。

双極性障害は、うつ病や統合失調症とまちがわれやすい病気です。「うつ状態」にあるときはうつ病と見分けがつきにくく、過去の躁エピソードを確認しなければ診断できません。うつ病であれば抗うつ薬が使われますが、双極性障害には抗うつ薬が有効ではないことも多く、正しい診断が重要です。

1-5. 双極性障害の経過

治療をしなければ躁状態・うつ状態を繰り返しやすく、原因には脳内の神経伝達物質のバランスに加え遺伝的・環境的要因が関わっています。

治療を受けない場合、躁状態は急に始まって症状が悪化していき、2〜3ヶ月ほど続きます。うつ状態は6ヶ月ほど続くことも多く、年に4回ほど躁状態とうつ状態を繰り返す方もいます。経過の中で、全体の3分の1から2分の1程度の期間をうつ状態で過ごすとも言われています。

1-6. 治療について

気分安定薬を中心とした薬物療法の継続が再発予防の鍵となり、病気を受け止めて治療を続ける心構えが大切です。

双極性障害の再発予防に有効な薬は多数知られており、これらをうまく使うことでかなりの程度症状をコントロールすることができます。治療の目標は、再発を防ぐこと、躁状態をなるべく早く抑えること、うつ状態のつらさを緩和することです。

1-7. 日常生活の過ごし方

起床・就寝・食事などの時間を規則正しく保ち、睡眠を安定させる生活習慣が症状の安定化に役立ちます。

双極性障害は、日常生活を規則正しくすることで症状が安定しやすくなることが知られています。起きる時間、寝る時間、薬を飲む時間、食事の時間、活動する時間などを一定に保ち、こうした活動と気分を表に記入して記録すると、病状の把握にも役立ちます(「睡眠覚醒リズム表」で検索するとインターネットで記録表が入手できます)。

1-8. 周囲の人の接し方

躁状態では言動に振り回されず懸念を冷静に伝え、うつ状態では無理をさせず安心させる声かけを心がけます。

家族からすると躁状態は困った状態だと感じやすく、うつ状態は軽く見てしまう傾向がある一方、本人はうつ状態のつらさを強く訴えつつ、躁状態は軽く考えがちです。そのため、家族と本人で受け止め方が食い違うことが少なくありません。

出典・参考文献

「「双極性障害」ってどんな病気?」

著者・発行元:加藤忠史 | 出版社:大和出版 | 発行年:2012

「患者さんと家族のための双極性障害(躁うつ病)の手引き」

著者・発行元:加藤忠史 | 出版社:理化学研究所 脳科学総合研究センター

「対人関係療法でなおす 双極性障害 -躁うつ病への対人関係・社会リズム法-」

著者・発行元:水島広子 | 出版社:創元社 | 発行年:2010

「双極性障害(躁うつ病)と付き合うために」

著者・発行元:日本うつ病学会 双極性障害委員会 | 発行年:2013

関連Q&A

Q双極性障害の家族はどのように対応すればよいか?

A躁状態とうつ状態が交代して起こる病気で、家族は躁状態を問題視しうつ状態を軽く見がちだが、本人は逆の傾向があり意見が食い違いやすい。躁状態では本人の言動に振り回されず懸念を冷静に伝え、浪費等のリスクがあれば法的対処や入院も検討する。うつ状態では無理をさせず安心させる声かけを行い、重要な決定は避ける。

監修:久場禎三(沖縄中央病院 院長・精神科医/ラジオ番組「こころの架け橋」パーソナリティ)